1981年(昭和56年)~2000年(平成12年)までの木造住宅の精密耐震診断は大切

この期間は新耐震基準の建物に当たるので、名古屋市の無料耐震診断もなければ耐震補強もしなくていいという認識があります。
昭和56年当時、大工見習の私は新しい基準だということで、柱と土台に金物、釘打ちだった筋交いに金物を付けたりと手間がかかることが増えたなーと思ってました。
ただ壁が結構増えているなという感覚は持っていました。一応当時も建築士を持っていましたが、大工仕事最優先なのであまり気にしていなかったのを思い出します。
28歳で起業。工務店組織にして自ら確認申請を出すということをスタートすると、壁の量が足らないという指摘を検査機関からしばしば指摘されることがあり(筋交いの数です)、ここにも筋交い、あそこにも筋交いを入れてこうかいな~という感じで確認申請許可が通りました。
とにかく壁量、壁量と言ってました。
筋交いさえたくさん入れれば大丈夫という感覚はこの業界全体にあったかと思います。
重心だ剛心だ、だから偏心率はどうだ?ということは2000年制定された品確法による耐震等級1、2、3という指標ができてからです。

建物はねじれて倒れます。ねじれの原因は剛心と重心のずれ。これを0.3以下にしておくと安全度が高まるというのが偏心率です。
今、私が使っている精密診断ソフトは壁量があっても偏心率が良くないと評価されません。
非常によいソフトなのです。
名古屋市無料耐震診断の対象建物ではなくても、2000年までの建物はチェックしてあげたいと思っています。
またチェックすべきだと思っています。壁量のみの算定でバランスが悪い建物は今までたくさん見てきました。
築年数でOKではないことを知っておいて。
新耐震基準で許可されているというアバウトな安心感ではなく、目で見える性能数値で判断していくって大切なこと。
命を守る使命があるからねー。頑張るよー。